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「勇也。良一!」
なんだろう?ねむい。
北海道帯広市の外れの小さなボロクソ一軒家に俺、兄、母、父の四人が暮らしていた。
あれは確か夜中の12時すぎだ。
俺と兄貴は父に起こされたんだ。
父と母は向かい合わせに座っておりタダ事でわない話しをしているようだった!
まだ餓鬼だった俺と兄貴にもその険悪とした空気はすぐにわかった!
父は俺と兄貴の顔を見るなり言った。
「父さんと母さんのどっちに着いていく?」と…
は!?
わからん!意味分かんないし何なの?答えられる訳ないじゃん!!
でも早く言わないと大事な誰かが居なくなっちゃいそうな気がした!
俺は兄貴の顔を助けを求めるように見みいた。
兄貴は確かこう言った。
「わからないよ。誰も居なくならないで!」
と…
父と母は顔を見合せたが……またそらした。
その後の兄貴の話だが、父と母は毎日のように絶えずケンカをしていたらしい。原因は父の遊び好きと仕事をしてもすぐに会社を解雇され転々としていたためだ。
「将来の事も考えると母さんと居た方がいいな」
父が言った。
何も言うことが出来なかった…
俺と兄貴から不安と寂しさ、恐怖の入り混じった涙が流れていた。
翌日、保育園に通っていた俺はいつものように起き辺りを見渡すと何やらいつもの家の雰囲気の違う。
そう、父がいない!!
父と母の寝室、トイレ、
風呂場、押し入れ………
人が入るはずもない古ぼけたカビ臭い下駄箱のなかも!
何処にもいなかった…
俺はお弁当を作り終わった母のもとへと近寄ったが母は無言のまま。
そんな母はいつものように仕事の用意をし作り終わった俺と兄貴のお弁当をナプキンに包みカバンへいれていた。
母の仕事は家から出て10分程歩いた所にある鉄筋の加工場で毎日遅くまで働いていた。
母は何も無かったように振る舞っていたが隠しきれていない事が1つあった!
笑顔が引きつっているのだ!
昨日の事は現実だったと幼いながらきずいていた
。
涙か流れていた…
無力…
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