― 弐 ―

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  知らない間、家の外にある外灯を見ると、霧雨が降っていた。 仏壇には彼の写真が飾られている。 私はそれを毎日見続けながら、彼の事を心から思っていた。 まるで一枚の花びらが水面に乗り、流され...朽ちていくかのようだった。 仏壇から離れると、 雪洞がある所へと向かった。 彼が好きだった雪洞、 とても大切に使っている。 雪洞に赤い灯を灯し、お化粧をする。 鏡に映る自分自身... 無表情な顔立ちで、姿など人に見せるようなモノではなかった。 「笑えない...」 私は笑い方を忘れてしまった。 あの頃はいつも彼と笑っていたのに... 私は彼の死を受け入れられず... 「もしかしたら彼が『ただいま』と帰ってくるかもしれない」 暖かい声... もう一度聞きたい... そう思いながらズっと一人で彼の帰りを待っていた。
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