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隆斗が怒っているのを感じてか、シズネは頭を下げて謝った。
「申し訳ありません、冗談が過ぎました」
申し訳ありません、という割りにはあまり申し訳なさそうではないが、それがシズネだ。隆斗は溜め息と一緒に流すことにした。
「俺が言いたいのは今日の奴等の動きについてだ」
「…今日の彼らの動きに統率が見て取れました。恐らく彼らは自力で人間界に来たのではなく、召喚されたのでしょう。彼らは元々知性が低い者で、召喚した者が居なければ連携すらできませんから」
「って事は、俺が探している奴じゃないとしても、敵が来た。という事だな」
「…はい、隆斗様に刃を向ける敵です。ならば私はその敵を殲滅するまでです」
シズネは強い意思のこもった眼をして応える。
隆斗はそれを心強く思い、シズネの頭に手を軽く乗せた。
「頼りにするぞ」
「お任せ下さい」
「そうか」
「はい」
淡々とした味気の無い会話を終え、シズネを連れて屋上を後にする。
夜は戦い、昼は学校に行く。それが長谷隆斗の日常である。
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