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あまりにも突然すぎる留学の件に3人は戸惑った。
「どのようにしてそこへ向かえばいいのですか?」
ヴァーリが口を開いた。
「徒歩だな。地図を与えるから持って行くといい」
「……この距離を……ヘリオライトで飛んで向かっても相当時間が掛かるかと思います……」
「いや、3人なら大丈夫だよヴァーリ君」
ヴァーリは口を閉じた。
「オレ、行きます」
シリルは一言そう言うと理事長に笑顔を見せた。
「オレ、姉さんみたいに強くなりたいんです。今はまだ未熟だけどきっと強くなって帰ってきます」
「なら、僕も行きます。ぜひこの留学に参加させて下さい」
「……」
ライサは黙ったままだった。
「行きたくないなら構わないぞ。ライルの件もあるし……」
「行くわ、あたしも行く!」
そう言うとライサはソファで横になっているライルにペンダントを預けた。
「強くなって帰ってくるから、待っててね」
「よし、ではこれを預けよう」
金はざっと見た限りでも5000ゴールド、日本円に換算しておよそ50万円はあるだろう。それを理事長はライサに渡した。
「必ず帰ってこい、若き勇者よ」
「「「はい」」」
こうして、3人の旅が始まろうとしていた。
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