2章:魔物再来

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 シリルは剣を握り締め、辺りを見回す。 残り2体、気を抜けない戦いになりそうだ。 「シリル……」 「ああ、ケガとかないか?」 「少しは自分の心配しなさいよ!ケガしてるじゃない!」 「こんなのかすり傷だ。心配するな」 シリルは剣を再び構えた。しかしそれをヴァーリが制した。 「シリル君、ここは僕に任せて下さい」 「ヴァーリ!」 「防御力は僕の方が高いですし、敵の武器は剣、槍の方が圧倒的に有利ですよ」 彼はそう言うと先程まで使っていた槍から錘(おもり)がついた手槍に持ち替えた。 手槍は間接的に攻撃出来る武器である。錘を引っ張ることにより手元に引き寄せられるという便利なモノでもあるのだ。 つまり敵の攻撃を受けずに1体のゾンビを倒し、もう1体のゾンビは高い防御力を生かし運が良ければダメージを受けることなく攻撃出来るのだ。 ただ、手槍は壊れやすいのが難点である。 息を潜めヘリオライトをに跨がったヴァーリは敵と対峙した。
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