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残りが一体となった時だろうか。物陰に隠れていたのか更に2体現れた。
「増援!?クソッ……」
「シリル君……無茶をせずに引き返した方が……」
「いや、問題ない!」
「シリル!手当てしてあげるからそこに居て!」
ライサが杖を構えた。碧色の宝玉がついたそれは傷の治癒に使われる杖『ヒール』である。
「じっとしてなさいよ」
ライサに言われ剣を下ろす。淡い光が傷を癒し体力が回復した。
「悪い……」
「別に……ホラ終わったわよ」
「あ、サンキュー」
ライサはため息を吐き後ろを向いた。すると1人の女が見えた。学園の生徒ではなさそうだが民間人に傷をつけてしまっては防衛学園の生徒の恥である。
「すいませーん!危ないので避難してくださーい!」
ライサは彼女に駆け寄った。
「何かあったんですか?」
「魔物がいるんです!早く逃げて下さいっ」
彼女はライサの横を通り抜けると剣を構えた。戦に慣れているのか実に冷静である。
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