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二人が学園に到着した時、何故だろうかとても嫌な気配がした。ヴァーリの飛竜、ヘリオライトが周囲を警戒している。
「ヴァーリ、ヘリオライトが……」
「警戒してますね、何かあるのかもしれません」
そんな会話をしていると、突拍子もなく悲鳴が響いた。
「きゃあああ!」
ヘリオライトに二人は乗り、声のする方へ近付く。恐らく授業で使う武器が収められている倉庫の近くであろう。
案の定、そこには女学生がいた。武器ではなく杖を持っているところを見ると彼女は治癒を専門とするシスターのように見受けられる。
シリルはヘリオライトから降り、彼女に近付いた。
「大丈夫かっ!?」
「シュ、シュゼット……?」
「え?」
「! ごめんなさい……人違いしていたわ」
彼女はそう言うとシリルにすがりついた。
「とにかく……助けて欲しいの。お礼なら幾らでもするから!」
彼女はシリルに側に落ちていた鉄の剣を渡すと、ヴァーリに駆け寄った。そしてヘリオライトの背に乗せられると、3体のゾンビを目の前に対峙した。
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