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小学生くらいだろうか、キラキラと輝く瞳が眩しい。
「ライル……わざわざありがとう」
「とうぜんです」
更に礼儀正しい。彼はシリルとヴァーリにも一礼すると、学園の門の方へ向かった。
「では、私もこれで失礼するよ。シリル、お前と会えて嬉しいが……」
「大丈夫だよ。姉さんは国軍のエースなんだから……戦って」
「さすが私の弟だ」
「わあぁぁ!!」
先程の彼に何かがあったのだろうか、全員が校門を目指して走る。
「ライル!」
ライサの悲痛な叫びが虚空に響いた。
「まだ魔物が……!僕がなんとかしますっ」
ヴァーリは飛竜の上から彼を救出し、その場にいたゾンビと対峙する。
「ヴァーリ!」
「少年は保護しました。あとは魔物を倒すのみです……」
ヴァーリは少年を片手に槍を取り出した。鉄製のそれは、見習い兵士が学園での受験で使うことが多いものである。
「シリル君、ライサさんのこと頼みますね」
「ああ」
校門に着いたばかりの3人を背にヴァーリは槍を構え、飛竜が翼を広げて威嚇した。
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