とべない

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しかも私は馬跳びの前の単元であった跳び箱も、うまく跳べるわけではなかった。 横で同級生たちがさも楽しそうに五段、六段をピョンピョン跳び越えている一方で私はひとり、三段の跳び箱と葛藤を繰り返していた。 そんな私をみて友達はよく 「三段だと逆に飛びにくいよね」 と言っていた。 今思えば確かに三段だと低すぎて跳びにくい、 という意見にも頷けるが、 当時の私にはそれが皮肉にしか聞こえなかった。 だから聞こえないフリをして、『低くて高いカベ』に挑戦し続け、そして結局とべないまま終わってしまったのである。
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