1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
しかも私は馬跳びの前の単元であった跳び箱も、うまく跳べるわけではなかった。
横で同級生たちがさも楽しそうに五段、六段をピョンピョン跳び越えている一方で私はひとり、三段の跳び箱と葛藤を繰り返していた。
そんな私をみて友達はよく
「三段だと逆に飛びにくいよね」
と言っていた。
今思えば確かに三段だと低すぎて跳びにくい、
という意見にも頷けるが、
当時の私にはそれが皮肉にしか聞こえなかった。
だから聞こえないフリをして、『低くて高いカベ』に挑戦し続け、そして結局とべないまま終わってしまったのである。
最初のコメントを投稿しよう!