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「やっと外れましたわ」
「でねでね!格闘四天王と呼ばれている美少女集団と戦ったりしたんだよ。あの強さといったら」
「いいかげんになさい!」
立ち上がった少女は長々と話を続ける少年の頬をひっぱたたいた。
「げふぅ!いきなりなに?」
少年は目をまん丸として尻餅をついた。
「目が覚めたかしら?貴方は昔から話し出すと止まりませんから叩いただけですのよ」
「止まらない?あっ、こんなことをしている場合じゃなかったんだった!コントローラー返してよ」
「ゲームを中断させるのでしたら返してもいいですわよ」
「えー!!」
「えー!!じゃないでしょう」
「むー、そもそもなんの権利があって僕の部屋に入ってきたの」
少年の疲れとあきらめのため息とも取れる言動に少女の瞳がキラリと光った。
「なんの権利? 貴方のお母様の権利ですわ。
貴方に逆らう権利はないのです。
なぜならば、お母様の命令は絶対なのですから!理解いただけたかしら」
「そんな権利なんか知らないよ」
少年は少女から目を逸らしてつぶやいた。
「そういうことですからあきらめてください」
「えっ」
後ろからの少女の声に顔を上げるとこつ然と姿が消えていた。
「いつのまにかテレビの前にっ」
少年が振り向くと少女がテレビ画面の前でいたずらっ子のような笑顔でいた。
「ちょっと待って!キミは今とんでもないことをしようとしてない?」
「さて、どうでしょう?」
少女はとぼけて小首を傾げる。
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