辺獄

2/3
前へ
/103ページ
次へ
「焼き魚がたべたいです」   「刺身にしませんか」   「焼死さんは焼いたものが嫌いですね」   「はい」   …今日も、辺獄町は幸せな死人の集まりです。   僕は病死したので毎日気分が優れていません…そんな気がするだけです。   そんな僕もサンマを捌かずに生では食べれないわけで、今日もサンマの死体を皿に乗せて持って来た焼死さんに少しばかりお願いをしました。   「焼いて良いですか」   「ダメですよ、私火とかむりですもん」 火をこわがっちゃう焼死さんはそれなりに可愛いけど、これではいつまでも何も食べれません。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加