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家の扉の鍵を開け、僕は玄関に入った。電気はついていないので暗く、靴を脱いだらまず、廊下の明かりをつけた。電気がつくと廊下は照らされよく見えるようになる。
そこからは右側に階段、左側にリビングにつながる戸があり、僕はリビングの戸の前に立ち、それを開けた
リビングの電気のつけると明るくなり、奥の方には写真が見えた。
幼い頃の自分、その両脇に見知らぬ男性と女性。僕はソファーに鞄と制服の入った紙袋を置くと、そのまま風呂場に行きシャワーだけ浴びて浴室をあとにした。
着替えて戻って来た僕はリビングの写真をもう一度見た。
写真に写っている3人は笑っているが僕はその内2人を知らない。夕飯も食べるのもやめて、そのまま階段を上がり自分の部屋のベッドに横になった。
洗濯物も明日の朝やればいいや。今日は疲れた、もう寝よう。僕は大きく欠伸をすると、その場にあった充電器に携帯を挿し込み、アラームをセットしてから目をつむった。
窓からは微かに月の光らしきものがカーテンの間から僕の部屋を照らしていた。
被った布団は暖かく良い気持ちだったが、そこには何かが足りなく、ぽっかりと空いた穴に吸い込まれるように僕は眠りについた。
深く、暗い世界。何かを探るように僕はこの暗闇をさ迷って行った。
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