僕はきっと

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「カレー屋でいいよね? 前と同じでいいよ、それなら他とも被らないと思うよ」 和哉がもう一言言うと、そうだよねとクラスの生徒たちが何も言わなくなった。結局、最終的にはこうなると全員がわかっていたのだ。 「じゃあ、去年と同じカレー屋と言うことで?」 学級委員の問いに全員賛成、去年やったことなのだから、それが一番妥当ともみんなわかっていた。 書記が黒板に書かれた無駄な話し合いの残骸を消していく。 「段取りは去年と同じだからみんな覚えてるね? じゃあ、私が本部に報告に行くから準備始めといて」 学級委員長の号令と共に動きだす生徒、文化祭で厄介なのは授業と違い、寝てたら叩き起こされ面倒な仕事を押しつけられることだ。 委員長が教室を出た後に続いて、僕も教室を出ようとしたときだった。 「タ・カ・くん、どこ行くのかな?」 右肩に叩きつけられるように手を置かれた。振り向くとそこに美紀が立っている。口も目も笑っていたが、眉間にあり得ないようなシワがよっていた。 「あっと、ちょっと図書室へ。ほ、ほら、俺カレーの作り方わからないし、ちょっとお勉強を」 明らかに、ばれる嘘である。そんな嘘をついた自分を哀れに思う間もなく、美紀に教室の中へ引きずりかえされた。 和哉はそんな僕を見て爆笑していた。助けてくれてもいいのに……
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