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夢と色彩
ここまで辿り着くまでに
たくさんのものを落としてきた
君にどんなにもらっても
僕はいつの間にか失す
それでも見つけられた
もう落とすもんかと
手の中で強く握り締めた
だから僕は気付かない
いつまでも変わらないって
振り返る必要もないって
日々はいつも鮮やかで
君はいつもその中にいた
まだ夢は醒めずに
歩いてきた道は長く
拾いに戻れない所まできた
君からもらったもの
僕はあったことすら霞む
今はもう見つけられない
君の声も聞こえない
ゴールはいつまでも見えない
そこで僕は気付く
確実に時は流れてるって
振り返ることもできないって
過去に色彩はなくて
君はまだその中にいた
まだ夢は深さを増す
だって進むしかなかった
僕には何もなかった
失すものだって本当はなかった
だけど君がくれるから
だから失すものができたから
僕は泣けないから
君がくれなきゃ
失さなかった
痛くなかった
今はもう何もないから
失さなくてすむはずなのに
僕は泣いてた
君がくれたから
僕は生きてた
「残る道は、まだ長い」
君は静かに僕に差し出した
もう見つけなくていい
君が持っている
ゴールはいつまでも見えない
やっと僕は気付く
いくら時が流れたとしたって
君だけは変わらないって
未来に色彩はなくても
君はもうその中にいた
君はもうその中にいた
まだ夢は醒めずに
君はいつもその中にいた
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