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「シェイン……分かってると思うが、ドラゴンの声すら聞こえていないのはお前だけだ」 「はい……」 「いまからでも遅くない。普通科に行ったほうが良いんじゃないか?」 士官室に呼び出され、いつものように教官に言われる。 学院はドラゴン使い専用のクラスのクラスDと、普通科―――いわゆる魔法科があって、それぞれクラスが別れている。 どちらが大変かといえば、もちろんドラゴン使いのほう。 「俺、ドラゴン使いになりたいんです……まだ、あきらめたくないです……」 「シェイン……分かった。もうちょっと待ってやろう。決断するなら早めがいいぞ。お袋さんに迷惑かけたくないだろ?」 「っ……!」 「お前の親父さんは、確かに伝説と言われるほどに強いドラゴン使いだった。だが、だからと言ってお前にもその力が受け継がれているという訳じゃない。それは分かるね?」 優しく微笑む教官は、軽くシェインの腹を叩いた。 「アテムの声ぐらいは聞こえるようになりなさい。分かったね?」 「はい!」 「では教室にもどりなさい」 教官に頭を下げて士官室から出ると、上着の中に隠れていたアテムが出てきた。 「お前、俺の声が分かるくせに、なんで俺には話さないんだよー……」 つん、と、額に埋め込まれている宝珠をつっつくと、アテムは首をかしげた。 ため息を軽くつき、アテムを肩に乗せると教室に向かって歩いた。
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