2(バベルの塔は崩れ落ちる)

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「あのー名前、聞いても 良いっすか?」 如月という名字しか知らないのに、これからこの男は自分の旦那になるのだ。名前くらい知っておかなければとりぃは思案したのだ。 「如月トキですよりぃさん。」 トキは自分の愛車であるレクサスに乗ると前を見ながら答えるので表情は伺えない。 「あの、如月さん趣味とかあります?」 そんな様子のトキに困ってしまったりぃ。何より会話が続かない。暗い車内で沈黙はりぃにとって、苦痛にも似ている。 「趣味……ですか?そうですね、これから見つけていきたいですね」 顎に手を添え、考える素振りを見せてから、今度はちゃんとりぃの方に向きトキは微笑んで見せた。  
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