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「ちなみに言っちゃうと……俺、独占欲強いんですよ。あなたの髪の毛一本誰にも渡したくない。例えば……あなたの目に映る俺の知らない男にも。」
見透かすように鋭い眼光がりぃを貫く。バレているのだ、トキには。
でも、それならそれで都合が良い。ニヤリと妖しくりぃの片方の口角が上がる。
「……そこまで言うなら、あたしを惚れさせてみろよ。あたしがあんた以外に目を向けられないぐらい」
そうして、この虚しい心を満たしてくれよ。
卑怯で億劫なりぃの気持ち。人は、人を求めなければ生きていけないのだ。そんな事、りぃは嘘だと思っていた。むしろ、人が嫌いで怖かった。それでも最終的には人を求めた。温かさが欲しかった。
汚れた自分を受け入れて欲しかったのだ。
挑戦的なりぃの瞳がトキを捉える。
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