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「クス、俺に対しての挑発のつもりですか?」
あっさりと受け流される挑発。それどころか、仰ぎ見るようにトキもりぃを挑発する。微かに浮かぶ笑みも、余裕を誇示しているようだ。
「そうだ、……だっていくらあんたが凄くてもこれは、これだけは覆らない、覆らせない。あたしは一生誰も愛さな……っ!!」
続きの言葉を待たずしてトキは強引にりぃの唇を奪った。刹那、りぃの視界の端に、端正な顔が歪んだ様に見えた。しかし、そんな事を考えてる暇をトキは与えない。
逃げれば逃げるほど舌を執拗に捉えられ深く、深く施される口付け。淡くりぃの口から甘い声が漏れた。
ゆっくりと離される唇を驚きと、悲しみと、憎しみとが色々交ざった複雑な涙を含ませ、トキを睨んだ。
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