2(バベルの塔は崩れ落ちる)

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りぃはトキの家を目の当たりにした時、目を見開いて動かなかった。しかもその時の顔はきっと酷いもので、あまつさえその様子を見たトキに腹を抱えてまで笑われた事は隠しておきたい過去ベスト10に入る。 「……いつまで笑う気?」 横目でトキを見ると涙を拭っている所だった。 「すみません………あまりにりぃが可愛かったものですから」 りぃはどうしてトキはこんなに恥ずかしい事を、顔色一つ変えず言えるのか不思議で仕方ない。 しかし、その言葉は嫌みっ気がなく本当に言われている気がする為、りぃはまたも顔を赤らめるのである。 「……さ、降りますよ。」 階に着いたのであろう、トキはりぃの腰元に手を回し誘導する。トキの触れる手がりぃには歯痒く感じた。 トキは胸ポケットから鍵を取り出すと金で装飾された鍵穴に差し込み一回しする。ガチャリとドアの向こうで開いた音がすると、またも金で装飾されたノブを手に取り、開けるとりぃを先に入れた。 もうすでに2セット用意されたスリッパに目を丸くしながらもりぃはそれを履く。 「……こっちですよ」 トキが電気を付けると柔らかな光がりぃを包んだ。  
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