19(ラストエンドはあなたと)

3/7
14680人が本棚に入れています
本棚に追加
/277ページ
ーーーーーーーー 純白のドレスに身を包んだ彼女は本当に綺麗だった。 少し濃いめに施された化粧も、赤らめる頬も、自分を呼ぶ声や風に揺れる髪さえ、愛おしくて、愛おしすぎて目を背けたくなる程だった。 りぃの猛反対から式は2人だけ。 だからこそこの幸せは二人だけの共有。 そう考えると、トキはまた笑みが漏れた。 「……りぃ、今日のあなたは本当に美しかったですよ」 帰宅してすぐにドレスのままのりぃをベッドに押し倒した。我慢出来なかったのだ、そんな綺麗なりぃを見ていたら。 「やはり、似合うのを購入して正解でしたね」 「……トキは、いつまで敬語なんだ?」 トキの話は聞かないで、りぃはそっと手を頬に添えた。 はっとして、口元を押さえたあたり、どうやら無意識で口走ったらしい。 トキはそんなりぃに微笑む。 「……敬語じゃない方が良いですか?」 「……両方、好きだけど……。今は普通が良い」 そうりぃが所望するなら。 「クス、……姫の仰せのままに……」  
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!