手をかさねて

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あれは確か少し肌寒くなった頃だった 起きぬけに感じた温もり、 僕の手には君の手が握られていた 僕は照れくさくなり君が起きるのを待たずに 君の手を離した 少し君が起きるまで 君の顔を見ていよう 少しして君は目を覚ました。 『眠そうだな!』僕は言った。 『眠くないもん!』君は少しふてくされ気味に言ったね 僕は笑いながら頭を撫でた もう時間だから仕事に行くね、そう言って玄関に向かった 行ってらっしゃい!後ろから君が言った 行ってきます、振り向かずに言って家を出た。 いつも通りに通り過ぎていく時間の中、 ふと映る景色に目をひかれた、そこには 手を繋ぎ、幸せそうな笑顔の老夫婦がいた それを見ていた僕、君の顔が浮かんだ。 なあ愛しい君よ、僕たちもこう在りたいな これから先色んな事があると思うけど 辛い時も、 悲しい時も、 嬉しい時も かわらず手を繋いで行こうな 十年 二十年 三十年、 それ以上ずっと傍にいる君よ どちらかが、この世界を離れるその時まで 手と手を取り合って 歩んで行こう、僕は繋いだ君の手を離さない 恥ずかしいかもしれない 誰かが笑うかもしれない こんな考えを君は笑うかもしれない でもそれが僕の愛の形で 僕のスタイルだから
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