Je te veux ダイキル特別編

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「とにかく、早く帰りましょう。社長が風邪を引いてしまいます」 「ねぇ、キル」 駐車場へ向かおうとするキルの腕を、ダイが掴み引き留める。 「お腹が…」 「えっ?」 ダイはそう言うと、突然お腹を押さえその場でしゃがみ込む。 「社長!?」 キルはダイの異変に慌てて傍へ近づき、傘を差しながらかがみこむ。 「どうしたんですか」 お腹を押さえてうずくまるダイに、キルが心配そうに語りかける。 「お腹空いたから、ちょっと味見」 「!?」 そう言った瞬間、ダイはキルのマフラーを掴み、ぐいっと顔を引き寄せ唇を奪う。 「んっ……!」 キルは目を見開き、間近にある端整な顔を見つめる。 互いに冷えた体の中で、そこだけが柔らかで温かな熱を帯びた。 「……っ!」 街の公道で堂々とキスを続けるダイに、キルはなんとか逃れようと顔を横に振る。 幸運にも傘と雪の効果で、その行為に誰一人気づく事はなかった。 「社…長っ!」 ようやく自由になって、キルは頬を紅く染めながら抗議の声をあげる。
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