幻想水滸伝3

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幻想水滸伝3

  君と見た空。   君と感じた風。   君と語った日々。   それを、失いたくないから。   それを、ずっと自分の中で生かせたいから。   だから僕は、破壊者となった。   いずれくる『無』の世界を、色彩豊かな世界にするために。   例えそれで幾人もの人が苦しんだとしても、僕は全てを破壊しよう。   後悔なんてしない。   後悔なんてしてない。   君といて幸せだった。   君といる時、僕は僕でいることができた。   君と話をすると、心が温かくなった。 君がいて、よかった。   …ずっと、そう思っていたかったんだ…。                   …ガラガラガラ…         神殿の壁が崩れる音。   力なく折れた足。    全部の力を注ぎ込んだのに。   全ての物を犠牲にしたのに。    とうとう、破壊できなかった。   呪われたこの世界を。   呪われた紋章を。   呪われた自分自身を。         「ルック様…!」     「……セラ」     信じるならば進むのでしょう。   それが人の性なのだから…と。  
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