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夢を見た―――
見知らぬはずの人と出歩く夢を―――
誰なのかわからない………
ただ、何故か懐かしい
とても愛しい人だとわかる。
だが、哀しい。
思い出せないことがひどくもどかしく、哀しい。
何故この人は俺を見て幸せそうな笑顔を浮かべる?
夢の中の俺はこれほどまでに満たされている?
今の俺は心に穴が開いたかのように満たされていないのに………
わからない………
俺をとりまく全てのモノが
だが、これだけは言える。
俺はこの笑顔を悲しみに染めたくないと。
彼女を、彼女のいる世界を護ると。
そのためなら、この命など惜しくない。
護るためならこの手をいくらでも血に染めよう。
それで彼女の笑顔を護れるなら…………
「――皐月。」
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