chapter#2

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夢を見た――― 見知らぬはずの人と出歩く夢を――― 誰なのかわからない……… ただ、何故か懐かしい とても愛しい人だとわかる。 だが、哀しい。 思い出せないことがひどくもどかしく、哀しい。 何故この人は俺を見て幸せそうな笑顔を浮かべる? 夢の中の俺はこれほどまでに満たされている? 今の俺は心に穴が開いたかのように満たされていないのに……… わからない……… 俺をとりまく全てのモノが だが、これだけは言える。 俺はこの笑顔を悲しみに染めたくないと。 彼女を、彼女のいる世界を護ると。 そのためなら、この命など惜しくない。 護るためならこの手をいくらでも血に染めよう。 それで彼女の笑顔を護れるなら………… 「――皐月。」
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