chapter#1

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――半年前 霊都の王宮の一室に先の戦いに出た者たちは集まっていた。 「ねぇ。ルシア兄さん。 亮介は………おにぃはどうなったの?」 茜――サレナは泣きすぎたのか目が充血していた。 部屋には――重苦しい空気が流れる。 「死んではいない。それだけは確かだ…………」 ルシアは下を見つめながら答えた。 「どうにかして、探せれば………」 ダハルは魔術書のページを捲りながら呟く。 「クソッ!アイツ………勝手に消えやがって!」 礼司は苛立ちを抑えきれず何度も壁を殴っていた。 他にもカラナ、アハト、イグル、ミレイ、劉、美咲たちがいたが、全員痛々しい表情で床を見つめていた。 「………何をしているのですか?」 そんな重苦しい空気の中、突き抜けるような錯覚を覚えさせるような鋭い声が響いた。
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