517人が本棚に入れています
本棚に追加
「奴らに対抗できるのは精霊王の力を使える者、つまり俺とレイだけだ。
もし、あの時俺がいなければ前霊帝は現れていたか、もしくは冥王を復活させていただろうからな。」
「だけど!俺が亮介から離れなければ、一緒にいたらアイツを助けられたかもしれないんだ!」
礼司は淡々と話すルシアに向かって怒声をぶつける。
ルシアは礼司の言葉に怒りを感じ、立ち上がると礼司の顔面を殴った。
「自惚れも大概にしろ!
お前があそこにいたら止められたとしても、そこにお前は居なかった!
その現実を受け止めろ!
そして、次にもしそんなときがあれば共に戦える力を手に入れろ!
………レイは死んだわけではない。過去を悔やむより、前を見据え、出来ることをやれ。
あと、神殺しの刃はそっちに預ける。
劉か皐月に使わせろ。」
ルシアは話は終わりだといった感じで部屋を後にした。
―――ルシアの去った部屋に響くのは礼司の嗚咽だけだった。
最初のコメントを投稿しよう!