序章

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21歳、大学4年の夏──、 就職も決まらず、その日暮らしの生活。 寝たいだけ寝て、食べたい時に何かを食べて…、 毎日そんな繰り返し。 『──ピピピ、ピピピ…──』 いつも決まった時間に鳴る携帯、 …ユウからのメールが届く。 『今何してる?!』 いつもと同じ内容の文章をディスプレイ越しに睨めっこする私──。 『テレビ見てた』 簡単な文章でまとめて返信する。 手っ取り早くしないと、気が済まない性格だから、返信は自分の中で2~3分以内と決めている…。 『そっか』 5分待って返ってくるのは、たったの3文字。 呆気ない、悲しい、 絵文字も無し…!? そこから会話を広げていくのは私の役目なのだから、気疲れする…。
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