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第5章~危険過ぎる走り~
キーンコーンカーンコーン
一樹「はぁ…やっと終わった」
拓海「イツキ…今日はやけに疲れてんのな」
一樹「誰のせいだよ誰の…」
茂木「拓海くーん!一緒に帰ろう!」
拓海「あぁ。いいよ」
(ポツ…ポツ…)
一樹「あれ?…雨だ…」
拓海「一応山も近いから多分変わりやすいんだよ」
茂木「でもこれだと路面凍っちゃうよね?今日は慎重に歩かないと」
(ザァァァ)
一樹「でも…酷くなって来てるぜ?」
拓海「どうりで昨日より冷えてるわけだ…早く帰ろうぜ?このままじゃ風邪引くだろ」
茂木「そうだね…じゃああたしはこっちだから!じゃあまた明日ね!」
一樹「じゃあな~」
拓海「気をつけて帰れよ~…さて、俺達も行くか」
一樹「あぁ。っと!あぶねぇあぶねぇ…いきなり滑ったよ。これじゃ車走れねぇだろうな…」
拓海「流石に今日は危ないよ。でも配達は絶対だからなぁ…」
一樹「マジかよ!?大変だな…」
拓海「全くだよ。じゃあまた明日な~」
一樹「あぁ。じゃあな~」
ー拓海宅ー
拓海「ただいま~」
文太「帰ったか。あぁ、今日は―(ジリリリ!)電話か…(ガチャッ)もしもし…あぁ俺だ。…何?もう仕上がったのか…あぁ…分かった。いつもすまねぇな…じゃあ今から取りに来るから。あぁ…じゃあまた(ガチャッ)」
拓海「誰だったんだよ?」
文太「昔からの友達だ。さっきの話の続きだが帰って来てからだ。じゃあ行って来る」
拓海「えっ!?行って来るって一体何処に?つーかいつ帰って来んだよ?」
文太「今5時前だから7時には帰って来る。それまで待ってろ。分かったな?」
拓海「あぁ」
文太「じゃあ行って来る」
(バタン)
拓海「親父はどっか行っちまったし……」
拓海「速かったな…あの白いR32…。親父はいつも『ハチロクにパワーなんて要らない。秋名下りの最速車はハチロクだ』って口癖の様に言ってたっけ…負けちまったよ…親父」
そして後に拓海は理解する事となる。
『秋名下り最速の意味』を…
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