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放課後の世界。
まだ日が暮れるには至らない空は、しかし橙色を濃く落としてくる。
丘の中腹にある高校。
その南西側、下っていく街の屋根たちを望める一角が私の職場だ。
担任するクラスもない私の机はこの図書室にある。
丘一面を横から照らす西日は図書室にも煌々と注がれ、「本が長く置かれる場所として、この日当たりはどうなのだろう」と私は常々思う。
だから私はしょっちゅう沢山のカーテンを閉めてまわるのだが、生徒の中にはそれが気に入らない者もいた。
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