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照り付ける太陽が肌に痛い。
まるで突き刺そうとしているかのように、ジリジリと焦がしている。
また、夏が来た。
まだ朝だというのに、こうも暑いとイヤになるよな、まったく。
駅前から学校へと続くなだらかな坂道を、いつものように歩きながらオレは、隣を歩くオレより頭半分くらい背の高い男の横顔を見上げた。
相葉啓之介(アイバケイノスケ)。
オレ、佐賀直季(サガナオキ)と啓之介とは、同じ産院で一日違いで産声をあげ、母親同士が同じ病室だったことから、まだよく目も見えない頃からの付き合いだ。
まぁいわゆる、幼馴染みってヤツ。
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