君を忘れない。

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『入院長かったもんねー。』 何も語らなくなった母に言う。             『そうね…』 母の言葉は一言だけだった。            翌朝。学校に行く車中…母は言った。 『入院してるって言ったでしょ?お母さんが付きっきりでね… 今…無菌室に居るんだって…』             ―無菌室…             昨夜のニュースを思い出す。 頭の中で繰り返す病名…                                     ―白血病…                         そんな訳ない… だって…あいつは一人っ子で……移植は?             頭の中に湧く疑問に指先が冷たくなった…             『大丈夫でしょ?…移植は?』 声が震えていたと思う… 『移植…する程ではないらしいけど… とりあえず…冬休みにお見舞いにいこう…』             母の言葉に安堵し頷いた…。
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