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『しょうがない人ね…』
強がる言葉の裏にある君の不安が僕には伝わっていたんだ。そんな君の温もりをずっと忘れないように…そしてミズキとの愛を確かめ合うように僕は精一杯の笑顔を見せた。
『忘れないで蒼…』
顔の上に乗せていた本がズレ落ち僕は現実に引き戻された。
『ミズキ…。』
僕はまた君の夢を見ていたんだね。僕は君の傍で一緒に過ごしたけれど出来る事なんて少なかった。
けれど君は最後まで僕に夢を諦めないでと…ありのままの自分で勝負しろと言っていた。
それはミズキと出逢った時からの2人の約束だった。
『ミズキ…僕は君との約束ちゃんと守れているかな?』
今日はミズキの命日。僕は毎年この丘へ来る。あの頃の思い出と約束を胸に…。
僕が愛した君と交わした約束を忘れないように。
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