第2話 出逢い

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『ホストの世界は甘くない。これも当たり前にあるモノだけどウチの店には派閥がある。No.3の楓についているのはNo.4の零。その下にNo.5の秀虎が居る。僕はNo.1の雫についているが水樹…君は既に僕の席で場内を貰ってしまったからね。その上から言ったら必然的に僕等の派閥に入った事になるんだよ』 僕は丁寧に説明してくれて優しい昴さんに憧れを抱いた。 勿論だが僕は雫さんと昴さんの派閥になる事を一つ返事でOKした。ってゆうより嬉しい事だった。 『今、抜いて来たから直ぐに行くぞ』 そして僕は司さんの後に着いて行き昴さんと一緒にVIPルームへ通された。 『失礼します。ご一緒させて頂いて宜しいでしょうか?』 『久しぶりね昴。堅苦しい挨拶は抜きよ。座りなさい。その子は?見ない顔ね』 『はっ初めまして水樹です!!ご一緒させて頂いて宜しいでしょうか!?』 『今日から入店した新人の水樹です』 『水樹…。そう今日から入店した新人君ね。宜しく。座っていいわよ。それにしても新人の前だからって昴までそんな風にならないで欲しいわね』 僕は余りに緊張して上手く話せず基本的なテーブルマナーを怠らないように頑張っていた。 『咲夜は相変わらず手厳しくて困るな。水樹が余計に話せなくなってしまうよ』 『いえ!!大丈夫です…』 流石に歌舞伎町の嬢王と言われてるだけあって何処かオーラみたいなモノが違って見えた。 『それにしても本当にお久しぶりじゃあないですか?』 『そうね…最近はちょっと忙しくてね。ところで水樹は何でホストを始めてみようと思ったのかしら?』 『えっ!!あっあのスカウトされて…僕にはゆっ夢があって今はまだ勉強中なんですが仕事としてホストをしながら学べる事もあるんじゃないかと思って入店しました!!』 突然の咲夜さんからの質問にしどろもどろで僕は答えた。 『そうなの…。昴?当然ながら水樹は雫と昴の派になったのかしら?』 『はい。流石に咲夜は夜をご存知でいらっしゃる』 『司の着け方がわかり易いだけよ。そんな事より何時ものを頼んで来て頂戴』 『かしこまりましたお姫様』 そう答えると昴さんはVIPルームを抜けて司さんの元へ向かって行ってしまい僕は咲夜さんと2人になってしまった。 『あの…。何時ものって何んですか?』
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