第1話 別れ

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第1話 別れ

天気が良く晴れた日だった。 何時もの丘の木の下に僕はミズキと一緒に潮風を浴びて景色を眺めていた。 『蒼…約束よ。夢を諦めないで。そして何があっても自分らしく何時も輝いている笑顔のアナタでいてね…』 『どうしたんだい?急にそんな事…』 『約束して蒼…』 ミズキは僕の手を握り締め か細い声で言った。急に不安になり僕はミズキの手を強く握り返した。 『約束するよミズキ。だからミズキも早く元気になってくれよ』 そう僕が言った瞬間にミズキの手から力がなくなり僕はミズキを乗せた車椅子を握り締め病院へ急いだ。 『ミズキ!?ミズキ!?』 ミズキは微笑んでいた。そんなミズキの笑顔を見詰めながら僕の目からは涙が溢れた。 初めてミズキの病気を知った時から覚悟していた筈だったのに…僕は最後まで君の支えになれてたかわからない。 病院について直ぐにミズキは処置室に運ばれた。 『ミズキ…。逝かないでくれ。君を失いたくない…。』 しばらくして処置が終わったミズキは絶対安静の無菌室に移され面会謝絶となった。 僕はミズキの眠る無菌室のガラス越しからミズキを見詰めていた。 処置から目覚めたミズキは僕に気付いて僕に微笑みかけた。 ミズキの命はもう永くなかった。だから僕は仕事も休みミズキの傍で1秒でも長く一緒にいる事を選んだ。そんな僕に初めミズキは猛反対したね。 『蒼の気持ちは嬉しい…。だけど蒼!?今までの事を全て無駄にする気なの!?夢を諦めるつもり!?』 君は何時だって気高く強くて僕は叱られてばかりだった。 『違うよミズキ。夢は諦めたりはしない。仕事もほんの少し休みを取っただけだ。僕はミズキに沢山のモノを貰った。だから今はミズキに…ミズキの傍に居させて欲しいんだ』 ミズキは真剣な瞳で僕を見詰めて言ったっけ。 『ちゃんと後のフォローは考えているんでしょうね!?』 僕は黙って頷いてミズキを抱き寄せたんだ。本当は弱さ見せない君を僕だけは理解していたかっんだ…それが自己満であれ君を守りたくて。
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