最高を求めて

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「やったぁぁぁ!!!!!」 あたし、普通の女子高校生の内村日和。 一応今年高校に入学したばかりの、新米高校生。 で今、あたしは自分のパソコンの前でひどく喜んでいる。 その理由。 それは去年応募していた雑誌の公募企画の作品が見事賞を取ったから。 しかも銀賞。 それに初めて都会に行ける。 ずっと福重から出たことが無いからあたしはこうやって喜んでいるのだ。 それに、自分の本が単行本として出版されるんだ。 これであたしも作家デビュー。 現実感が湧かないけれど……でも嬉しい!! これはもう飛び跳ねるしか無いだろう!! というわけで1人、部屋で騒いでいるということだ。 「ちょっと煩いわよ、日和!」 長い髪をきつく一つ結びにしている、我が母親。 彼女が叫ぶと大抵周りは静まるが今日は違うのだ。 大体勝手に入ってきてさ!! でもノックもせずに部屋に入ってきたことにも怒らない。 この喜びが分からないのかな? 「だって……だって!!本が銀賞なんだよ!!」 「はぁっ?」 我が母親は首を傾げる。 もう嬉しすぎて言葉が喋れなくなってしまっている。 チャララン♪  そう叫んでいると、携帯の着信音が鳴った。 今時とは言えない普通の着信音 いつも学校ではマナーモードに設定しているからこの着信音は久しぶりに聞いた。 着メロだの着うただの色々言われるけれど、よく分からない。 高校生なのにこれで大丈夫なのかと不安になる。
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