贈碧ノ刻

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これは遺書ではない。 生きて再び、美しい朝日を覗むための第一歩にすぎない。 ただ1つだけ、思う事がある。 見えないちからへの神頼みや願い事は届かない。 本当に大事な人、愛する人は生身の人間が守らなければ決してその人を救えない。 オレはたくさん失ってしまった。 今思うと、何気なく生きすぎた。 そして、 無償の愛という形で自分の人生を、時間を、生活を犠牲にして魂さえ削ってまで愛情で守ってくれた人がいた。 きっと誰にでも、自分の事を無償で守ってくれている人がいると思う。 そして、その無償の愛情に意識せず日々を費やし、漠然と心に在りながらも他の人の愛情に頼りがちになっている。 オレもそうだった。 オレもたくさん費やしていた。
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