‐幸せの序章‐

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この子の幼き手が握る私の薬指……それは、不幸……それとも……幸せ…? ……………………………… 貴方が残していった、大切な貴方のぼんぼりは…静かに明かりを灯し、雨降る暗夜を照らしてくれた。 私はこの子と共に雨音が鳴り響く中思う…。 『貴方の散華に涙を流し過ぎてしまったみたい…もう流す涙も枯れてしまった…。だからこそ幸せのためにもう涙は流さない…。』 そう……私はそれを寂寞の夜に思う。 あれから幾年…。 貴方が残した小さな幸せの... この子の髪を縛ったり...。 四つん這いで歩くこの子をみたり...。 この子のために夜な夜な子守りの唄を口ずさむ事...。 それが...。 今の私の幸せ......。
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