264人が本棚に入れています
本棚に追加
惑乱Cavatina
窓から見える景色は雪明かりで仄かな銀色に光っていて、妖美な白がふっと現れては消えていく。
明日は学校に行くのが面倒ね。
なんて漏らしながら、私はラジオの電源を入れた。
真夜中を告げる時報。
クリスマスソング特集の言葉を聞いて、すぐにラジオを切る。
今日はクリスマスイブなんだと思い知らせて、無性に苛々した。
誰か私を――。
そう思ったところで首を左右に振り、携帯電話に視線を落とす。
きっと私は、この携帯電話が赤く輝く瞬間を待っているんだ。
最初のコメントを投稿しよう!