そして、メイドもやってきた

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日曜日。 今日は駅南方面を案内だ。 駅南方面には大型のショッピングセンターやホームセンター、そして浅岡放送(ABS)がある。 浅岡放送は毎週日曜日の夕方お世話になっている。大人気アニメ『ランダムXX』の放送局なのだ。 まあ、それはさておき、俺達はまずホームセンターであるリトルセンチョーに向かった。 「ここがリトルセンチョー。ホームセンターだ。掃除用具や修理用の部品とか必要になったらここに来る」 「買うのは重い物が中心なのに家から遠いのは不便なのです」 「仕方がないわ、マーナ。ホームセンターは何かしら場所をとるから広い所でないと大変なのよ……」 マーナが愚痴り、静夜が諭す。まあ確かに大きな木材とか扱ったりもしてるからなるべく広い土地がいいけど、別に中心街でもやれなくはないんだぜ? まあ、何はともあれ、俺達は中に入った。 日曜日だけあって、ホームセンターの中は家族連れで混んでいた。 おおかた会社が休みのお父さんを利用しての重い物の買いだめか、お父さんの趣味の為のお客がほぼ全てを占めているのだろう。 「廉くんは物を作ったりするのですか?」 静夜が聞いてきた。 「ああ、まあな」 俺はそれを待っていたかの様に答えた。 何を隠そう、家にある鉢植え用の棚や庭のベンチは俺が作ったのだ。 それも中学の頃に。 何かテレビで手作りのベンチ見てたら急に作りたくなったのだ。 若かったな、俺。 「まあ。よろしければ、今度一緒に何か作りましょうね」 静夜がにっこりと笑った。 笑うとやっぱ可愛いよな。 「ああ、約束だ」 俺と静夜は指切りで約束した。そんな俺達を見たマーナが、 「私も一緒ですよ」 と言ったのは言うまでもない。
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