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「ねぇ、何をみているの?」
女の子が男に尋ねる。
「人混みさ。他に見るものもない」
男が素っ気なく答える。
「私は?」
女の子が男の顔を覗き込む。
「人混みより私を見ていた方が愉しくないかしら」
男は女の子の顔をみる。綺麗な顔だ。目が大きくて迫力がある。
「君はきっと異性にもてるね」
男は煙が女の子に当たらないように喋る。
女の子はしばらく男の顔をじっと見つめ、ほどなくして「どうだっていいわ」と呟き少し男に身体をよせた。
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