午前十時

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「あなたには見えているの?」 女の子が尋ねる。 「君はさっきから質問ばかりだ」 咎める気はなかったが男の何気ない発言に女の子はうーんと腕を組む。 「じゃあこうしましょう。私が三つ質問したらあなたは私に一つ質問するの」 「不公平じゃないかい?」 「不公平じゃないわ」 女の子は断言する。 男は少し考えて、特に自分に質問がないことを思い出した。 「わかった」男は頷く。 「それで手を打とう」 女の子はにっこりと笑う。
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