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「数也。」
「どした?奈緒。」
授業が終わりほとんどの人が校門へ向かう中、私は数也を呼んだ。
「バ…バカ。抱き着くなよ。」
「いいじゃん別に。みんな知ってるんだしさぁ~。それよりさっき良い物ある…とか言ってたけどなんなの?」
「あぁ。てか見せるから離れろ。」
「はぁ~い。」
そう言うと数也は鞄の中から縦長の封筒を出した。
「問題。これの中身なんだ?」
持っている封筒をひらひらさせながら私に聞いてきた。
「ん~………あっ!来週からやる映画の前売り。」
「ハズレ。」
何の迷いもない一言。あまりの早さに私は驚いた。
「じゃ~…何?」
そう言うと同時に数也は封筒の中身を出した。
出されたのは2枚の紙だった。
「これ…ライブの……ってあれ?」
目を左から右へと動かす内に見覚えのある文字で私の動きが止まった。
「……miharu……ってこれmiharuの!?」
「あぁ。」
「嘘?何で?何処で?ってかよくチケット取れたね!!」
パニくってるのが自分でも分かる。そのぐらいパニくってる。
「ちょっと早いけど俺からのX'masプレゼント。」
「ホントに?やったぁー!!」
校門ではしゃぐ私……その時は気付かなかった。
隣にいる数也の悲しそうな表情に……
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