10人が本棚に入れています
本棚に追加
「手紙?」
「……だな。」
三春からの手紙はあの時以来だった。
「何て書いてある?」
「待ってて。今読むから。」
―――
久しぶり!元気にしてるかな?
もうあの日から3年もたってるんだね。
私のこと忘れてないよね?笑
今度の日曜日(28日)に私の初ライブがあるんだ。
チケット送っとくから良かったら見に来てね。
あっ。2枚ある内の1枚は綾の分だから。
それじゃ~ね。
―――
「……だって。」
読み終えた綾がチケットをひらひらさせながら隆司を見た。
「ライブかぁ~…見に行きたいな。」
「そうだね。私は大丈夫だけど、隆司は?」
「分かんない…から明日聞いてみる。」
「隆司はイブも仕事かぁ~。」
「まぁ~ね。でも早めに帰るから。もうプレゼントも用意してあるし。」
「ホントに?」
綾は心底驚いてるようだ。
「だから明日は早く帰って来るよ。」
「うん。」
そう言いながら俺等は布団の中に入った。
「あっ。綾にお礼のメールだけ送っとくね。」
「だな。」
そう言いながら綾は携帯を開いた。
「送信っと。」
綾はメールを打つのが昔から早かった。
「それじゃお休み隆司。」
電気を消した静かな部屋に1度だけキスの音が響いた。
最初のコメントを投稿しよう!