12月23日の夜

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  「……祐樹のバカ…」 付き合い出して約4年 三春にフラれ落ち込んでいた祐樹に声をかけたあの日。 そこから始まった私達2人の道。 その間何度もケンカはしてきた。 見たい映画で言い合って、食べたいパンで言い合って、行きたい場所で言い合って…… 言い合って仲直りしてきた。 きっと今回だって……でも、 祐樹の『今の事しか考えない』態度は嫌だった。 直して欲しくて何度も言ったのに、この4年間変わる事はなかった。 「……バカ。」 呟きながらふと回りを見ると楽しそうに笑うカップル達が私を通り過ぎて行く。 「………」 本当はあんなに言わなくても良かった。 それは分かっていた。 実際、今の祐樹の学力なら落ちる事はなかった。 でも…… それでも心配になる。 言い過ぎだったのは事実だった。 でも………でも…… 「…?」 ふと気付くと目の前には私達が卒業した高校の前にいた。 あの日…卒業式の後に祐樹と将来を約束した場所に立って空を見上げてみた。 「………」 ただ暗い空がいつまでも続いていた。 「もう…ダメなのかな…」 最近感じるすれ違い。 確かに4年も付き合っていれば相手の嫌な所だって見えてくる。 でも…それ以上に感じる何かが私の心の奥にあった。  
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