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「むわっひみぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
圭吾はそんな意味不明な声を上げて、美咲に曲げられた指を押さえながらのた打ち回っている。
こう見るとアスファルトの上のミミズみたいだな。
不憫だよ……圭吾。
「ははっ!じゃあ始めるか」
俺は1度だけ圭吾を見て嘲笑い、視線をすぐに美咲に向けてそう促した。
「えっ!?俺に対する反応それだ…」
「そうね。じゃあ私から始めるわよ?」
「美咲さんは指曲げた本人なのに完全シカト!?」
美咲は圭吾に1度も視線を向けることなく弓を構えて、的に照準を合わせ始めた。
その時に圭吾が寝転がったまま顔だけを美咲に向けて何か言っていたが、美咲はそれもスルー。
……もう美咲の中でお前の存在はデリートされたんじゃないか?
「どんだけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
うるせぇよ。
そして俺達+雑魚ミミズの弓道勝負が幕を開けた。
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