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「えっ……?」
全く意味が分からなかった。
明日一緒に買い物に付き合って貰う?誰が?俺が?誰と?美咲と?
確かに明日は剣道部も弓道部も休みで昼間は時間が空いてるけど……
「…………空耳か?」
「そ、空耳って何よ!?宋一郎は私と買い物するのが嫌なわけ!?」
俺が頭の中の理解が追い付かず呟くようにそう言うと、美咲は俺の胸ぐらを掴みながらそう詰め寄ってきた。
ちょっ……何で逆ギレ……てか、俺はキレてないから逆ギレでもないし。
理不尽にも程がある。
しかし美咲の表情にはどこか愁いが見え隠れしていた。
…………何時もの美咲じゃない?
「……いや、別に嫌じゃ…」
「そう?じゃあ始めるわよ」
俺が嫌じゃない旨を伝え切る前に、美咲はケロッとした表情に変わりながらそう遮ってきた。
あっ、やっぱり何時もの美咲だ。
そして美咲は矢を弓にセットして、的を狙い始めた。
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