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「…………くっ!?」
地面に落ちた矢を茫然として見ていると、隣にいる美咲が顔を俯かせてワナワナと肩を震わせ始めた。
あーあ……そりゃあ悔しいよな。現役弓道部……しかもエースなのに的にもとどいてないもんな。
圭吾はタイミング悪過ぎ。
「ハッハッハ!怖気付いて言葉も出な……い…………?」
圭吾が何時もの虚勢を張っていると、スタンッ!とかいう音が弓道場内に響き、その音の方を見てみると圭吾の顔の横、僅か10cmの所に矢が刺さっていた。
えっ!?ちょっ……危なっ!?誰っ!?
「…………」
矢から延長線上に辿ってその矢を放った人物を探してみると、そこには無表情で弓を構えている赤黒いオーラが見えてきそうな感じの美咲が立っていた。
ヤ、ヤバイ……美咲がマジギレしてる……
てか危ないから!?先生に見つかったら退部だけでは済まないぞ!?
しかし美咲はまだ追撃するようで、再び矢を弓にセットして照準を圭吾に合わせ始めた。
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