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「はやまるな美咲っ!!」
「きゃっ!?」
俺は美咲の後ろから覆い被さるようにして矢が放たれないように手を掴みながら、美咲の追撃を阻止した。
さすがに幼なじみが人殺しになるのを見届ける訳にはいかないだろ。
その時に美咲のシャンプーの匂いが鼻腔を擽ったが別に下心がある訳じゃない。
生憎、俺は圭吾の様に変態属性ではないから。
幼なじみだから出来る止め方ってやつだ。
「さっきのは無しでいいから……人に向けるのはよせ……なっ?」
「ひぅ…!?………………うん」
俺が美咲の顔の横からそう声を掛けると、美咲は一瞬ビクッ!っと身体を強張らせてから、さっきの殺意が嘘のように温和しくなり、後ろからでも分かるくらい顔を赤らめながら俯き気味に頷いた。
その時に周りの女子部員から「キャーッ!?」「イヤーッ!?」等という奇声が。
男子部員からは「死ねっ!!」「天然女子キラー!!」「勉強になるッス!」とかいう罵倒と尊敬の入り混じった声が聞こえてきた。
……俺、何かしましたか?
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