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「あぅ…………」
しかし吹雪は人見知りしたのか、かなり戸惑った感じで美咲の隣に居る俺に視線を送ってきた。
そんな潤んだ瞳で俺を見ても俺は助けないからな。
「大丈夫よ?お姉ちゃんは恐い人じゃないのよ?だからお名前教えてくれる?」
嘘だろ。お前、圭吾を殺そうとしてたし俺にはめちゃくちゃ恐いじゃん。
「何か言った?」
「いえ、何も」
美咲は吹雪から視線を外すことなく威圧感たっぷりの声でそう尋ねてきたので、俺は瞬時にそう答えた。
貴女は読心術でも使えるんですか?
あっ、痛い。足踏んでる足踏んでる。
「雪野……吹雪なの……」
そして吹雪はおどおどした感じでやっと自己紹介をしてくれました。
それと同時に解放される俺の足。
よかった……もう自立歩行出来なくなるかと思ったよ。
歩ける事って素晴らしい。
「も…………」
美咲は吹雪が自己紹介を終えた辺りから何故か身体をプルプルと震わせている。
…………どうしたんだ?
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