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「…………入っていいわよ」
そして15分後。
部屋の中から美咲のそんな声が聞こえてきたので、俺はゆっくりと扉を開けて中に入っていった。
「ふゅ……そーちゃん……」
「…………」
そして中に足を踏み入れるとそこには、さっきの騒動にも気付かず気持ち良さそうに寝ている吹雪とその吹雪の頭を無言で撫でている美咲が居た。
その光景に画的に映えると思った。
2人共が黒髪ということもあってか、少し姉妹に見えてしまう。
……てか、何て声を掛ければいいんですか?
「何か用があって来たんじゃないの?」
そしてパジャマから白を基調とした私服に着替えている美咲が顔だけをこちらに向けながらそう尋ねてきた。
その表情からは怒りとかは感じ取れない。
…………怒ってないのか?
「あの……怒ってないのか?」
「何で?」
俺がそう尋ねると美咲は淡々とした様子でそう訊き返してきた。
いや……何でって……
確かに昔は一緒に着替えたり風呂に入ったりしたけど……って、俺は何を言っているんだ。
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